花のある生活っていいな

母は生涯を通して花を愛した

庭にはツツジやシャクヤクや菊

私には名も知らない花であふれかえっていたし

家の中の鉢にはたくさんのサボテンがあった

夜中に開花して朝には閉じてしまうサボテン

「今日あたり花が咲くよ」

こんな声がかかったら

花が開くまで一緒に見ていなくてはならない

カップ麺やポップコーンじゃあるまいし

簡単に開く花なんかない

その待つ時間の長い事と言ったらない

花が嫌がらせしているように長い

母が見ていない時に無理やり蕾を開こうとしてみたけど

それは無理だった

蕾が落ちそうになったから

なんでこんなに花を集めるんだろう

そう思っていた

なにせ「今日は簡単な料理にしたよ」

そう言って『冷ややっこ』だけがテーブルに載る事もあった

そんな人があんなに花に手を入れることができるなんて

今テーブルの上にバラの花がある

赤いバラと濃いピンクのバラだ

時折

そう忘れた頃にフワ~と控えめな香りがする

玄関の前にはプランターと小さい鉢植えが4つ

若い頃には馬鹿にしていた花のお世話

「花を植えるくらいなら食べられるものの方が良い」

「あら花は見ているだけで嬉しいよ」

書かなくても誰の言葉か分かると思う

そんな花のお世話が今は何か楽しく思える

ひとつ気がかりがあるとすると

はたして自分に花を育てることができるのだろうか

そんな事だ

なにせ娘から花を育てられない『火の手』と言われたのだから

いくら手をかけても花が育たてられない人の事を

火の手を持つ人と言うそうだ

バジルやパクチーや大葉を立派に育てたんだけど

最もこれらは種をまくと勝手に増えていく

比べて花々には多くの手がかかる

多くの手…そう言っても手は一人分で良いけれど

花が咲くまで…咲いてから…枯れてからも

そして冬の間とずいぶんと手をかけていた

そんな母の娘ではあるけれど

自分には花を育てる感性が全くない

なにせサボテンを枯らせてしまったのだから

鉢の花は全滅して

庭に咲き誇っていた木々もいつの間にかなくなっていた

ならばとキュウリやスイカを植えてみた

スイカには藁の布団を敷いて毎日位置を替えて

どの蕾を残すかなんて事はかなり調べた

スイカは良い香りがしていたけど食べるには早かった

キュウリのツルにはカボチャが出来た

しし唐を植えたら辛い辛い唐辛子が出来た

ならばと辛いハバネロを植えたら違うものが成った

こんなだけど今年は心機一転して

花づくりを頑張ってみようと思っている

さてどうなる事やら

自分では楽しみにしている

だってね目の前に花があるだけで気持ちが良いんだもの

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