山のてっぺんにあったんだよね。
途中は、何にもないつづら折りの山道。
本当になんにもないの。
夏は、草いきれのする、右も左も緑。
突然、ダッダッダって音がしたかと思うと
鹿の親子が道を横切っていく。
イノシシには気をつけろって言われてた。
イノシシに衝突すると、車が使い物
にならなくなるらしくて(なぜかは忘れた）
幸い、イノシシには遭遇してないの。
車のフロントガラスの前を、ばさっばさっって
ぶつかるかと思うくらいの低空飛行で横切る
トンビ？鷹？
生ごみの収集箱は、すごく厳重。
一度、罠にかかったから見にいく？
って言われて、行ってみたらアライグマ。
アライグマって凄く狂暴なの。
近くに行ったら、シャー！って威嚇された。
爪が怖かったよ。
アライグマラスカルって、昔のアニメに
あったけど、その影響で飼った人が
飼いきれなくなって山に放したのが
今は増えてしまったらしくて
可愛いラスカルはいなかった。
若い子が「何かひいたかもしれません」
って言ってきたの。
「何かわかりません、多分、野生動物だと…」
って、ちょっと涙声だったよ。
仕事の帰りに山菜採って帰ってた。
春は、フキノトウ。
まだ土からすっかり出ていないのが
美味しいの。
少し山に入ると、山葡萄、タラの芽
なんかあったけど、車の通り道で
採るから、フキノトウかわらび位かな。
雪が降ると、木がクリスマスツリー状態
で、とっても綺麗。
ただね、街灯がないから、右も左も
前も後ろも白、白、白の真っ白の世界。
雪もね、一番下の道路が雨だとしても
昇るにつれてみぞれになって雪になってって感じ。
夜の坂道は怖かったよ、何にも
見えないはんだもの。
下りは２０キロくらいの速度で車を
運転して帰ってきた。
ほかの職員は、普通に走ってたから、
後ろから来るのが見えると、横にによせて
待っていた。
私の車が止まっていても気にしないでって。
山のてっぺんの雪道は、歩くとキュッキュッって
音がするんだ。
もっと寒くなると、道路に積もった雪が
キラキラ光って見えるの。
それでも、春が近くなると
周りにきみどり色が多くなって。
そうそう、私が初めて雲海を見たのも職場。
すぐ下の道路から一面が厚い雲に覆われて、
ポンって乗ったら歩けそうだったよ。
こんな四季を感じられる職場は、
他にはないだろうね。
働いてみたい方、どうぞ。
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