今日は寒い日だよ。
そのせいかな、足の痛みが強くて真っ暗なうちに目が
覚めてしまった。
時計を見たら、3時10分だった。
仕方ないから起きたけど、しばらくして又
眠くなってしまったよ。
二度寝したせいで、起きたのが9時半。
ゴミ出しが遅くなって、回収に間に合わなかった。
やっぱり8時には出さないとダメなんだね。
そうそう、セントバーナードのエルの子育ての話ね。
エルが寝ている時は、頭の上や首、そして丸くなった
しっぽの間に仔猫が寝ていた。
敷き藁よりあったかでフワフワしているから
寝心地が良かったんだろうね。
その間は、動けないからじっとしていたよ。
親猫はね、たま~に来ていたけど、授乳を済ませると
いなくなってた。
だから、どんな猫だったかは思い出せない。
仔猫は、黒猫、キジトラ、茶トラだったよ。
兄弟でもあんなに毛色が違うものなんだね。
いつの間にか、娘が名前を付けていた。
「あんこ」「ごま」「きなこ」だって。
3匹は、エルの背中に登ったり、小屋の屋根に
登ろうとしたり、段々行動範囲が広くなっていったんだ。
遠くへ行こうとすると、エルが引き戻していた。
始めは、大きな口から小さなしっぽがはみ出した
みたいになっていたから、心臓がどきんとした。
まさか…まさかね…。
小屋の入り口でよだれまみれの仔猫が、口から出てきた。
ちゃんと静かに地面においてたよ。
エルが座っている時にも、仔猫は背中によじ登っていた。
座ったまま、こっくりこっくりと船を漕いでいる犬なんて
後にも先にも、あの時だけしか見られないだろうね。
ご飯になると、3匹が先に食べに行ってたけど、
食べ終わるまでまっていたよ。
仔猫が食べて、スズメが食べて、それからだねエルのご飯は。
近所の子供が来て「ワンワン、しっぽしっぽ」と、長靴をはいた
足でしっぽを楽しそうに踏んでたけど、気づいてたのかな?
そんな優しいエルだけど、雪がちらついても吠えたもんだから、
父は犬舎の中で過ごしていた。
父がいると静かにしていたからね。
大型犬は、優しいけど甘えん坊だよね。
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