川の水から水道に

日本の水道は安全で美味しいって言われている

我が家の近くにはキャンプ場があるんだけど

そのせいか夏が近くなると水道水が何となく

塩素臭くなっていた

今はそんな事はないような気がする

水が美味しくないなんて思う事がないからね

蛇口をひねったらジャーっと水が出て

それをそのまま飲めるって凄い事だと思う

子供の頃に母の実家に数か月すんでいた

その地域ではその頃は生活用水を川の水に頼っていた

米を研いで野菜を洗って調理の下準備をする

その下では牛乳の缶を川の水につけて低音殺菌中

そして洗濯と夏になると子供が身体を洗う

夏の暑い日

川では夕食の用意と食器を洗う人

洗濯をしている15~6歳の女の子

海の方からは10人位の子供たちが

川を伝って登ってきては下流で身体を洗っている

1歳でも年上だと下の子の身体を洗い

海水に浸った服を洗っている

夕方の時間はほとんどの家で親世代は不在

畑や田んぼに行っているからだ

飲み水は井戸から汲んで天秤棒で担いで家に運んでいた

水を運んでいたのはこの地域だけのことじゃない

水道が通っていない所では

井戸からの水をバケツに入れて天秤で運んでいた

「誰だ?!こめ流れている!」

こうやって叱られた事も何回かある

川の水は勢いがあるからね

鍋に入れるのも注意しないと米まで持って行く

川の水だから小魚が泳いでいる

普段は上手く逃げているけど

時によっては鍋の中に入る事もある

今でもその光景は容易に浮かんでくる

それから間もなく井戸にポンプがついて

大きな蛇口がつき

いつの頃か気が付いた時には各家に蛇口がついていた

川の水は普通に飲んでいたし

その地域じゃなく街中でも山道でも湧き水を飲んでいた

崖を滴る水も飲んでいた

その頃はエキノコックスの事は全然考えていない

もし感染しても発症するまでには20~40年かかるらしい

それは人の身体の中に入っても

そこはエキノコックスにとって

良いベビーベッドにはならないかららしい

とは言ってもやっぱり最終宿主のキタキツネとは

距離を置いて私のように湧き水を飲むのは

やめたら良いと思う

蛇口をひねったらきれいな水が出る今の暮らしは

本当に良いもんだ

蛇足だけど『天秤棒』を試したことがあるけど

一歩も歩けないどころか天秤を肩に載せる事も

出来なかった

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