外が暗くなってから不法侵入があった
まださほど寒くはなっていないので
速やかにそとに出ていただいた
座っていたら目の端に何かが見えた
左を向くと
小さなそれでいて足が長めのクモが宙に浮いていた
浮いていた訳じゃなくて糸も見えたから
多分天井から糸を伝って降りてきた所だろう
そのままにしておくほど家主は寛大ではない
見えないような細い糸を掴んだけど
掴んだところでそのままじゃどこにも
連れては行かれない
仕方ないから左手の平に監禁した
力は入れずに優しく優しく包んで
外の草原まで連れて行った
手の中ではもそもそと動いていたから
元気だったろう
我が家にはそんなに不法侵入はないけど
年に片手くらいで入って来る
去年はどこから入ったのかテントウムシが
ブ~ンって音を立てて飛んでいた
テントウムシは幸福を運んでくるとは言われても
家の中を飛んでいても本人のためにもならないだろう
外に出てもらった
前に友人をグランピングに誘った事がある
周りを山や海に囲まれて今さらグランピングも
ないだろうとは思ったけど
案の定だ
「ブンブンが飛んでいるから嫌だ」
と断られた
ブンブン飛ばない虫なら良いんだろうか
私が一番嫌なのはプ~ンプ~ンと羽音をたてる
あの虫
なんで家の中に入るんだろうね
外にいた方がパートナーを見つけられるのに
なんて思ったわたしだった
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