意地悪な空

北国には珍しくひどく暑い日が続いていた

なんにもする気がしなくて

エアコンの効いた部屋の中でぼーっとしていた

仕事もしていない自分が

そんな涼しい中にいて良いのだろうかと

お仕事や学校に行っている人達には

申し訳ない思いでいたものだ

いやそうしてはいられない

冬には足元を心地よく包んでくれたカーペット

いくら何でも片付けないとと思い立って

ようやく片付けたのが昨日

それなのに

今日になったら気温が下がって

窓を開けたら冷たい風が入って来た

まるで秋風みたいな冷たい風

時々は雨もついてきて洗濯物も干せない

道理でいつもはうるさく聞こえる

鳥の声が聞こえなかったわけだ

海にいるカモメも雨模様が嫌いなのか

あまり騒いでいない

けど今の時期にお天気が悪い方が良いかもしれない

北国では8月7日に七夕をお祝いする

今がこうならその頃は良いお天気になるかもしれない

一年にたった一度の逢瀬を雨でダメにするなんて

可哀そうだもの

恋人同士だった牽牛と織女

朝から晩までずっと遊んで暮らしていた

それに腹を立てた天帝が一年に一度だけ七夕の日に

会えるようにした

それが七夕の由来

ところがどうも違うらしい

織女は天帝のこどもで

天帝は彼女の織る雲錦と言う布で仕立てた服を着るのを

楽しみにしていた

この布はすぐに劣化してしまうので

織女は父親の為に来る日も来る日も布を織っていた

それで彼氏も出来なかった

天帝はそんな織女を可哀そうに思い

天の川の向こう岸に住んでいた働き者の若者を紹介した

それが牽牛

これで二人は毎日遊び暮らしてしまった

もちろん父親の好む雲錦も織らずにだ

それで怒って一年に一度だけ会えるようにする代わりに

それ以外の日は牛飼いと機織りに精を出すように

伝えた

こう考えると天帝はずいぶんとわがままな方だったようだ

七夕は身勝手な天帝が作ったもの…で良いのかな

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