母がいた夏
真夏になると暑くて夕飯を作りたくない
家に帰ると母と連れ立って
近くの海水浴場にある浜茶屋に出かける
「暑いから行くか?」言葉はそれだけ
それくらい頻繁に浜茶屋で夕食を済ませていたわけだ
二人で腕を組んでいつも行くところに入って
おでんを一皿とそれぞれラーメンを頼んで
他にビールを頼む…このビールは大事
家で飲むよりずっと美味しい
ある日
浜茶屋のおばさんに請求書を渡された
紙に金額だけを書いた簡単な物
数千円にはなっている
頭の中には???が並んだ
「○○さんのとこの犬が食べて行ったの」
おばさんニコニコして告げて来る
いつも寝てばかりだった我が家の犬
一坪ほどの家に庇付き
何をしても寝ていたけど
私たちの知らぬ間に
ふら~っと浜茶屋に通っていたみたい
店内のお客さんがキャ~!って声をあげて逃げようとして
我が家の犬と気づく
そりゃ~みんなが騒いでも不思議はない
浜茶屋を訪問した我が家の犬はセントバーナード
男の子で同じ犬種の中でも身体は大きい方みたいだった
なんでか時間はほぼ同じ
夕食前に小腹が空いたって言う時間らしい
中に入って座って待っているようで
いくつかおでんを食べると満足して帰って行く
そう言っていた浜茶屋のおばさん
初めの頃は夕刊の配達に回っていた女の子が
家まで連れて行くっておくってくれたとのことだ
私が母と二人で浜茶屋に行くのを見ていたんだろうか
請求書の金額には少し参ってしまった

コメント