太平洋〇〇ベルト

5人ほどの男性が、いきなり砂浜を走り出す。

はるか先には、なにか生き物の群れがいる。

2人の男性が大きな網を持って生き物に近づく。

網をかぶせて生き物を捕獲する。

それはアザラシだった。

用心深く網を外し、アザラシをつかむ。

アザラシには漁網らしきものが絡みついている。

皮膚を傷つけないように慎重に網を切って行くと

自由になったアザラシは一目散に海に向かっていく。

そうやって網が絡んだ何頭ものアザラシを見つけては

網を切っては海に戻していた。

ほとんどのアザラシが網やロープが何重にも絡まっていたが

中には、皮膚に食い込んでピンク色がみえていた個体もいる。

場所は、南アフリカのナミビア。

世界のあちこちで、同じような活動をしているグループがいる。

浜辺の散歩で岩の間で動けなくなっているウミガメを

見つけた2人の男性。

全く動かないウミガメに、近づいていくと網に絡まるどころか

玉になるほどの量のロープとペットボトルが

前ヒレに食い込んでいた。

プラスチックが食い込み、成長できなくなって

ひょうたん型になったウミガメの見つかっている。

それを外しても、カメはなかなか海には向かえず

波打ち際まで連れて行きようやく泳ぎ始めた。

海に潜る事も出来ず、何日も食べていなかったよう。

何年も前から、海のゴミが問題になっている。

そのゴミが海流に乗って集まる場所が『太平洋ゴミベルト』

ゴミベルトなんて太平洋にとっては不本意な事だろう。

ゴミと言ってもあらゆるものがあるが

特に問題になるのがプラスチックのゴミ。

ゴミ袋なんかはクラゲに似ているので、食べ物と

勘違いして食べてしまう事も多いという。

海の上を漂っているゴミもあれば、海の底に沈んでいる

ゴミも大量にある。

海上のゴミを除去するための物も発明されているけど

気の遠くなるくらいの年月がかかるという。

今から5年ほど前に、オランダの高校生が始めた活動がある。

旅行先で、「魚よりゴミが多い海」という言葉を聞き、

思い立ったという。

300もの企業に支援を求めたがすべて断られて

一人で課題をクリアしていった。

そうして専門家や100名あまりのボランティアと一緒に

自然エネルギーを使った方法を見つけ、アイデアを具現化

そうして、太平洋ゴミベルトのゴミ除去に取り組んでいる。

他にも、港などに使う浮遊型のゴミ回収器を発明し、

使っている所もある。

プラスチックのゴミは、海に住んでいる生き物だけでなく

地球温暖化にも影響するという。

何となくしていた海岸での散歩も、少しでも良いから

ゴミを拾ってこようと思う。

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