今、小学校低学年の孫はお墓参りの時に、パンパンと
柏手を２回打ってからおまいりするよ。
じいちゃんとばあちゃんの写真に向かっても
柏手を打ってから頭を低く垂れる。
そして、「お元気ですか、いつまでも元気でね」
あれ？って、見ている方は笑いそうになるけど、
気持ちだからね、良しとしよう。
前に、手紙を書いていたけど、それにも、
「お元気ですか。いつまでも元気でいて下さい」
って書いていた。
上の孫と違って、下の孫は、じいちゃんばあちゃんには
会ったことがない。
それでも、「あ～じいちゃんって、ニコニコしてる人
でしょう？」
写真はニコニコしているからね。
父が亡くなった時に、写真を探そうと思ったら、
枕元から一枚出てきたのが、この写真。
なんて用意が良いんだろう、父らしいと思ったものだ。
母のはちょうど良いのがなくて、スナップ写真を
使った。
少し横向きになっていて、首を傾けて正面を見ている。
私は「見返りばあさん」と呼んでいる。
娘たちが家にやって来ると、いつもじいさんばあさんの
話題になる。
じいさんばあさんと言うと、あの世から怒ってきそう。
じいさんの事はとうさん、ばあさんの事はかあさんと
呼んでいた。
時々は、名前で呼んでいた。
これは、子供、孫だけでなく、友人もそう呼んでいた。
我が家の場合、叔父、叔母の事も、全員が
名前で呼んでいた。
あまり近しくない人が聞くと、良い反応はないが。
我が家はこれで良い。
ちなみに、孫は私の事も名前で呼ぶことがある。
自分たちの両親の事も、名前で呼ぶことがある。
我が家はこれで良いんだ。
なんて事を考えながら、いつものようにゴロゴロ
としながら、タブレットで映画を見ていた。
突然、網戸をたたく音。
網戸の向こうには黒い影。
「はい！」と返事をして飛び起きる。
黒い影も、「あ！」と小さく叫び半歩ほど後ろに下がる。
弟だった。
何回も電話しても出ないから見に来たとの事。
あ～、電話の充電が切れていたよ。
なんでline送ってくれなかったのかな。
義妹がお惣菜を作っているので、届けてくれるとの事で
電話したけど、出なかったので直接に来てくれた。
後ろに飛びのいた様子は、おじいさんとは思えない
瞬発力だったよ。
お届け物は、豚汁と煮物と焼き魚だった。
嬉しいな、時々こうして届けてくれる。
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