何が変わった

料理の講師をしている人の話で

食材の「マッチ棒くらい切って…」と言ったら

マッチ棒を見た事がない

だから分からないと言われたんだって

それでキャンプなんかで火をつける時に使う

と言ったら

「チャッカマンですか」と聞き返された

これ冗談のようで本当の話

こうなるとマッチを擦る時は外に向けてじゃなく

自分の方に向けて擦るとか

こういう事も教えられなくなるんだろうか

子どもの頃に冬の夜

近所の人たちが「マッチ1本火事の元」って

拍子木をカチカチと鳴らしながら

近所を数人で歩いていた

自分でもそこに混じって拍子木を鳴らしたい

そう思ったけど夜なので子供は入られないと言われて

がっかりした

拍子木って言っても分からないかも知れない

そのうちにあの有名な『マッチ売りの少女』も

マッチってなんだろうって時代になるんだろうか

なんだか淋しい気持ちになって来る

日本昔話も作中の言葉をひとつづつ説明しないと

ならなくなるんだろうか

数日前にYouTubeで高齢の方たちに

話を聞く番組があった

«年金について何か言いたい事がありますか

そう聞かれて『グリーンピア』の例を出していた

国民から集めた年金を湯水のように使って

保養施設を作ったけど

結局は赤字で約4000億円が年金保険料から

消えた

こうやって勝手に使って赤字もだけど

毎年の運営費もたくさんかかって

売却になった時は建設費が80億円かかったところを

3億円で売る羽目になった

これがとっても腹が立つって話していた

聞いていた方は

そんな事があったんですか知らなかったって

応えていた

グリーンピア

正式名称は『大規模年金保養基地』

年金財源を使って全国で13ヵ所に建設された

費用は一ヵ所で100億~300億円

ちなみに13ヵ所のうち8ヵ所は歴代厚相の地元で

現状はほとんどが廃止になった

そんな昔の話じゃないのに

いつの間にか記憶から消されて行くような気がする

年金を集めるところは労働の対価で年金が入るのじゃなく

いわば不労所得で黙っていても毎月お金が入って来る

そうやっていくらでも湯水のように

年金保険料を使えてさぞかし気分が良かっただろう

そこにはキックバックもあっただろう事は

想像に難くない

マッチは忘れても良いかなって思うけど

グリーンピアの件は忘れて欲しくはない

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