我が家は廃屋状態ダ

我が家の壁は廃屋状態で悲しくなってしまう。

前に居た猫、銀四郎と烏之助のおかげで、壁がボロボロだ。

床から 約 80cmの高さと、棚から80cmの高さに、まんべんなく

爪を研いだ跡が出来てるの。

ちゃんと爪とぎ用のものも買ったんだけどね、見ると大きく伸びを

して爪を研いでいる。

噛まれながら爪も切ったんだけどね。

悲しくなってしまうよ。

壁を張り替えたいと思っても、我が家の財政から考えるに無理だった。

こんな暴挙から逃れている場所がトイレの壁。

トイレは爪とぎより楽しい、トイレットペーパーがあったからね。

壁は無事だったけど、トイレットペーパーは爪痕だらけで穴になってた。

だから、家に人を入れるのが恥ずかしかった。

一番きれいな壁を見てって、トイレの中を見せている。

あとね、もっと悲しかった事があるよ。

バーゲンでクリスチャンディオールのブラウスを買った事があるんだ。

黒で袖がふんわり、背中に縦に一列の白い隠しボタンがついてたんだ。

それで爪とぎをしちゃったんだよ。

シルクだからちょっと引っかけても糸がほつれて…悲しかった。

娘「あ~ら、引っかかるから楽しいんだね」だって。

そりゃね、自分のブラウスにお高いお高いお金を払ったのは悪いけど。

この時には、他のブランドのパンツも買ったけど内緒。

「ところで、いくらだったの?」って聞かれたけど、すぐには

答えられなかったよ。

小さい声で、〇〇万円…だってバーゲンだったんだもの…

なんて自分を擁護してみたけど、娘はあきれていたのか怒っていたのか。

だって声が静かで優しそうだったもの。

さすが私の娘、私と同じ、本当に怒ると声が低く小さくなるんだよね。

最近はYouTubeで腹立たしい事がたくさんあるけど、自分のことじゃない

から、いくら腹を立ててもどうしようもない。

今年はそんな事で腹を立てているけど、その前には、10年くらい前に

凄く腹が立ったことがあるよ。

施設勤務の時に旅行に行ったんだよね。

旅行の前は、そりゃみんな楽しみにしているよ。

特に女の子は、着て行くものを色々揃えるのに、職員と買い物に

行ったりしてさ。

中に真っ白いセーターを着て行った子がいたんだ。

ホテルの夕食時に、仲居さんが白いセーターにお醤油をこぼしたんだ。

一つも謝らないで行こうとしたんだ。

私が近くに居た事に気づかなかったらしい。

お醤油はもう取れないけど、ひと言謝って下さいって言ったら、

わたしに気づいて顔を引きつらせていた。

当の本人は、夕食のお膳に気をとられてか、セーターにお醤油がついた

事には気が付いていなかったからなおさら腹が立ったよ。

障害がある子に酷い態度だと思ったよ。

引きつった顔のままで、布巾をとってきて拭いてくれたけど、早く

立ち去りたいって態度が見え見えだった。

サービス業なのに、立場の弱い人間にあんな態度なんて、本当に腹が

たった。

凄く腹を立てる事なんてめったにないし、腹を立てないようにしている。

なんて説明したら良いのか分からないけど、腹を立てるって、相手に

怒りのスイッチを押されたようなものだと思うんだよね。

人様に私の感情を左右されるのは嫌だもの。

腹を立てるときは、それなりのはっきりした理由が欲しいんだ。

説明が下手だけど、そんな訳で腹を立てるのは何年かに一回くらい。

弱い立場のものにされた時には、断固、腹を立てる。

あ~、何を言いたいのか分からなくなったけど、そういう事かな。

だから、猫たちにも腹は立てなかったよ。

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