冬虫夏草

『冬虫夏草』冬は虫で夏になると草になるなんて

おかしなと言うか寄生された虫が可哀そうと思ったのが

初めて聞いた時の印象だった

ひと月くらい前になるか

親子で冬虫夏草を捕りに山に登るドキュメントを観た

父親と息子とで山に登り探すのだけど

山は標高４０００ｍ級

崩れ落ちそうな山肌に両手をついて登っていたけど

父親は初めて同道する息子を気にかけながら

探すときの注意を教えながらの山歩きだった

雪が降るのが遅かったせいで

いつもは融けている所に雪が積もっていて

なかなか見つからない

学校に行って勉強するために冬虫夏草を探していると

話していた

酸素の薄い高山なので

息子は強い頭痛に途中で山を下りキャンプに戻っていた

雪が融けている急な山肌を

文字通りなめるように探しても枯れた枝にしか見えない

冬虫夏草

ようやく見つけてもひとつが数百円

土がついていると安く買いたたかれると

筆先で丁寧に土を払っていた

一日で片手くらいしか見つからなくても良い方で

完全に空っぽでキャンプに戻らないとならない時もある

キャンプも聞こえは良いけど木の枝を組み合わせたところに

シートをかぶせただけのもの

雪やみぞれの降る中で簡単な食事をして翌日にそなえる

女性二人で登っていた人達は母親と娘

山に登るための食料や装備を買うために

１万円ほどの借金をして来たと言う

やはり勉強をするために冬虫夏草を探しに来たが

まずは借りた分を返す為に何とか見つけないとならない

２００個近くを見つけないと学費どころか借金も返せない

気が遠くなるような仕事だ

そうやって収穫した冬虫夏草が町では高い値で取引される

こういう形態の虫？草？はどこにでもあるようだ

ただ古代中国から伝わる冬虫夏草と言うと

チベットの高い山で採れるものを指すようだ

そういう所からのものは当然のように高価だけど

安価な物も出回っていて

これは栽培しているものだそうだ

欲しいとなるとそうやって作ろうとする人間に

恐ろしさを感じる