我が家にジェームズがいた日

ずっと前に我が家に滞在していたジェームズ。

見るからに肩のあたりに筋肉が盛り上がっていて

もちろん足も太い。

そのジェームズはいつも階段の途中にいた。

階段の中ほどにどっしりと居座っていた。

全くよけてくれないものだから、2階に行こうとしても

なかなか上がれない。

「ジェームズさん、悪いんだけど少しどけてくれない?」

そう言ってもなかなかよけてくれないジェームズ。

壁にへばりつくように静かにジェームズの横を通る。

ギロッと私をにらむようにしていたジェームズ。

いつジェームズの気分を害するかと思うと

心臓はドキドキ状態。

自分の家を歩くだけでそんな気持ちになるなんてなかなかない。

あ~このまま問題なく2階に行けるかなっと思った瞬間

とうとうやられちゃった。

目にも止まらない感じでジェームズの手が動く。

痛い!

ジェームズの野獣のような大きな爪が私の足を直撃。

いや~痛かった!

傷が出来たっていうより足に穴が開いた。

ジェームズは足も大きいし爪も大きい。

日本で見る猫とは大違い。

そうなのだ、ジェームズは外国から来た猫だった。

娘の同級生が実習で家を留守にするので

私が預かる事になったのだ。

アイスクリームが好きで、主が言うには

 「ジェームズはハーゲンダッツが好きなの」

この後、我が家の猫もハーゲンダッツになった。

娘の同級生の両親は東南アジアで仕事をしていた。

その関係で両親の所に行った際に仔猫を拾ったそうだ。

それがジェームズ。

そのまま日本に連れ帰ったそうだ。

一人と一匹の生活だったけど実習になって

仕方なく我が家に連れてきたのだった。

かなりうちにいたけど私には全くの無関心。

そうして毎日のように会談に陣取って私の行先を

邪魔?していた。

他の猫とは何もなく過ごしていたけど

なんで私にだけあんな態度だったのかな。

そうそうジェームズの毛色は見た事がない模様だったな。

先に言ったように顔も体も大きいし、手足も太くて

首から肩にかけてはむっちりと筋肉がついていた。

こんなジェームズだがしばらくの滞在の後

自宅に帰って行った。

あのジェームズって普通の家猫だったのかな~

いまだにそう思っている私だった。

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