4月馬鹿

「たいへんだ!たいへんだよ!

 海におっきい蛾が流れ着いたんだって」

「モスラだよ!モスラ!」

「もっと来るんじゃないか!」

朝に仕事から帰るなり母が我が家に来た

モスラって…

モスラだったらすごくおっきいよ

そんなものがどこから来るの

本当にいたらもうみんなが騒いでいるよ

飛んでいるところだって誰も見ていないし

そう話すと

「ほら!」と朝刊を見せてきた

新聞の下の方に小さく記事が載っていた

蛾が本物なら記事はもっと大きく出る

記事の最後に«今日はエイプリルフール≫

そう書いてあった

かなり前だけどエイプリルフールの朝の出来事

日本では4月馬鹿という

この日になると嘘をついても良いんだよ

それを大義名分にしてはどんな嘘をついて

やろうなんて思った事も少しだけある

大体のところそう嘘なんかつけない

長じてからはそれどころじゃない

エイプリルフールなんてものを忘れていた

そう言えば今日は…って思い出すくらい

そのエイプリルフールだけど

いつどこで出来たのかははっきりしない

ルールはしっかりとある

嘘をつけるのは正午までで

午後には種明かしをしないといけない

その嘘も人を傷つけるものはいけないんだって

そうだよね

嘘をつくならみんなが笑えるようなものが良い

ずっと以前にアメリカで

宇宙人が攻めてきたってラジオで放送したら

みんなが本気にして大変な騒動になったらしい

嘘に関したことわざで『嘘も方便』と言うのがある

世の中では嘘をついても方便って言うからなんて

嘘をつくことを正当化しているけど

これは大きな間違いだ

嘘=方便ではない

お経の中に方便品と言うのがある

仏の教えを衆生に伝えようとしても理解が難しい

そのために分かりやすい方便(手段)を使って

伝えた事から来ているようだ

苦しみの世から衆生を救うための手段が方便

そこには慈悲の心がなくてはならない

慈悲がなければ嘘は罪とお寺さんが言っている

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