もいるゴミ

母の代から使っていたゴミ箱に

うっすらと文字が見えた

『もいるゴミ』って書いてあった

おそらく燃えるゴミって書くつもりだったのだろう

そう言えば友人が帰宅したら

お母さんがメモを置いてくれていたという

そこには『『いしがやさんから電話』と書いてあった

どこをどう記憶を掘り返しても『いしがやさん』という人には

心当たりはなかったという

けど気になってしばらく考えて気が付いた

『いしかい』(医師会)だったという

なまりは時として柔らかさを感じる

北国のなまりになるとでてくる『どさゆさ』

「どさ」と声をかけられて「ゆさ」と答える話

北国は寒いのであまり口を開けられなくて

言葉が段々と短くなっていく…と思われているらしい

『どさ』はどこに行くの?

『ゆさ』は『湯にいく』ということだ

厳しい寒さの中で出来上がった言葉だけど

なぜか耳には優しく響く

我が家でも娘と話すときにわざとそういう言葉を話すことがある

日常的に使っているわけじゃないけどたまにね

『け』『め』この二文字を多く使う

料理を出して「け」「(う)めか?」かには濁点がつくとよろしい

初めの「け」は食べなさいってことで「め」は美味しいって事

よく使うのは「ままけ」ご飯食べなさいだ

ははの姉妹が三つ葉の事を『みつっぱ』と言っていた

この『ぱ』をつけるのは仙台、山形、秋田に多いらしい

けど叔母にあたる人は函館方面で生まれ育って外には出ていない

母の姉妹は3名だった

みんな同じ地方で生まれて年頃まではそこで育っている

けどみんな微妙になまりが違う

この叔母の妹にあたる人は言葉の接続に

「んだすけの~」とか「んだはんで」とか言っていた

それもゆったりと柔らかいイントネーションでだ

母には弟も何人かいた

そのうちの1人は長く東京で暮らしていたけど

普通に会話していたら8割くらいしか理解できない

フランス語でも聞いているみたいに難解だ

けどその叔父と話をするのは楽しかった

なまりも段々と消えていくのかと思うと

少し…いやかなり寂しい

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