青空すぎると

朝方に凄い風が吹いていた

家の中にいても怖いくらいの風だった

風は止んだけど空は真っ暗

そんな暗い空に時々広がる青空

窓ガラスからパキーンって刺すような青空が見えた

思わず目を閉じるような陽の光

そうして幕が閉じるようにスッと暗くなった

空には暗い中に青い空がぽっかりとあいていた

いつもの青空と違ってなんだか嫌な記憶がよみがえった

まだランドセルを背負って小学校に通っていた時の事

ある日

先生がひきつったような顔で教室に現れて

すぐに家に帰る準備をして

集団下校しますって

集団下校って言ったって全校生徒1000名以上

生徒用の玄関がいくつかあったくらいのマンモス校

吹雪だって臨時下校なんてなかったのに

何でも北海道には来ないはずの台風が来るって言う話

それも直撃らしかった

台風も知らないしましてや直撃なんてもっと知らない

外は風ひとつない青空で空気はあったか

直撃で台風の目があたるようだと

そう教えられた

空は真っ青

風はそよともない

空気は生ぬるい

帰り道には空をみながら

どこからか自分たちを見ている眼があるのではと

ドキドキしながら

足を速めた記憶がある

そのあとどうなったかなんて覚えちゃいない

ただ空の青空が気持ち悪かった

青空って言うと爽やかとか清々しいとか夏とかって

イメージがあると思うけど

台風の眼の青空は気持ち悪い

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