白い粒の薬

「白い粒の薬出して欲しい」

「丸い黄色い薬だわ」

薬はだいたいが白くて丸い粒だ

中には楕円形とか6角形とかあるし

薬を判別しやすくするために

青や黄色や赤などと色がついているものもある

それにしても『丸い白い粒』だけでは判らない

これで包装シートがあったら分かりやすいのだけど

たいていは分包してあって袋に一回づつ入っている

袋を破かずに中の薬を目を凝らしてみるのもたいへん

また処方した病院が判ると良いけれど

すでに営業終了しているともうお手上げだ

今は色々と調べる術もあるけれど

ずっと以前は厚い薬価辞典を頼りに

薬についている番号やアルファベットで調べた

かなり面倒だけど

これ自分としては結構楽しかった

パズルみたいで調べてはっきりと判るとスッキリする

冒頭の話しは外来や病棟でかなり多く聞いた

そういう薬を出して欲しいという事だった

その点お薬手帳は便利だ

処方してもらった薬を記録してくれる手帳

いつどんな薬をどれだけ出してもらったかが判る

なので忘れず持っていたら良いと思う

もう20年ほど前の話しになる

多分お薬手帳はなかったか持っていなかったか

そこのところは記憶にない

他市で発行された処方箋をもって近くの薬局に行った

比較的大きいところだ

処方箋の内容は『ウテメリン』

これは切迫流産の治療薬で子宮の収縮を抑える薬

薬の内容どおりで切迫流産の恐れがあって

安静と言う事でその当人をそ~っと連れてきてお世話していた

来るときに頂いたのが先の処方箋

薬局のカウンターで薬を受け取って中を調べたら

入っていたのは『メテナリン』

これは子宮を収縮させる薬

似た名前だけど薬の作用は全くの逆

もちろんその場で伝えて変えてもらった

これもしそのまま持って帰って飲んでいたらと思うと

ゾッとするし取り返しがつかない

取り違えがどれくらいかは判らないけど

少なくとも薬の名前を変更するほどにはあったようだ

実際に飲んだ人がいたのかは考えたくもない話だ

国内で保険診療で使われる薬は1万3千~2万品目あるらしい

これだけの薬に名前を考えるなんて想像したくない

けど実際に全てに違う名前がついている

だから似た名前になっても仕方ないなんて言うつもりはない

私自身も処方する立場に立ったこともあるし

それを再確認する立場だったこともある

そうすると何十件かにひとつくらい

錠剤の数が多かったり不足していることがあった

薬は機械にかけ分包しているけど

丸い錠剤は跳ねるし転がる最終的には

人の眼で確認するのが良いのではと思う

それと不必要に(ごめんなさい)たくさんの薬を

飲んだり出してもらうのを控えたりとか

何か方法がありそうな気がする

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