戸籍がない

戸籍って、普段はあんまりと言うか

ほとんど意識した事がない。

当たり前についてくるものだと思っていたから。

生まれた時に親が最寄りの役所に出生届けを

出してくれる。

そうすると、嫌でも戸籍が出来る。

もう何十年か前になる頃だったか。

沖縄に生まれた若者の一部に国籍がないって言う

報道を見た。

沖縄はずっとアメリカだったから、日本に返還になった

後に、国籍の問題が置き去りにされた人がいるらしい。

国籍がないという事は、日本人でもアメリカ人でも

ないという事で、沖縄から外へ行くための

パスポートが作れないと話していた。

詳しい話は思いだせないけど、すでに解決はしたんだろう

と思うし、そう思いたい。

私自身、40年前に沖縄に移住しようと考えて

仕事先や住むところ、子供の学校の事なんかを

調べたので、全くの他人ごととは思えなかったのもある。

まるで、自分の友人が戸籍がなくて困っているって

思えた。

何となく国籍がないって事がどういう事なのかは

分かったつもりでいた。

やっぱりその頃のことだろうと思う。

用事で市役所に行って、名前を呼ばれるのを待っていたら

聞くともなしに聞こえてきた声があった。

年配の女性の声で、孫の小学校入学の事だった。

孫が小さい時に、子供が連れてきておいて行った。

そろそろ小学校だと思ったけど案内が来ないので

役所に来てみた。

その子には出生届が出されていなかったらしく

そのために、学校の案内が来なかったのだ。

まさに国籍も戸籍もないという事だ。

戸籍がないと、小学校入学だけではなくて

社会生活をしていく中で通れないものが出てくるだろう。

そういう子供が、大きくなってから無国籍や無戸籍に

気づいた時、その子の事を知っている人が周りに

いない時は戸籍を回復するまでには長い道のりがある。

せめて、いくらかでも役に立てるような

何かがあったら、お手伝いをしたいと思う今日だった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました