ロシアの中にユダヤ人自治州がある。
ハバロフスカから西へ150キロの所にある
ビロビジャンと言う場所で、新潟と姉妹都市になっている。
1924年、ソ連の頃にユダヤ人居住地となって
1934年に正式にユダヤ人自治州となった。
冬は-20度以上にもなる寒い地域だ。
国勢調査が2002年に行われたが、州の人口が
19万915人で、うちユダヤ人は2327人だった。
ロシア全域のユダヤ人人口は23万人というので
自治区とは言ってもユダヤ人は少なくなっている。
この地はプーチンが尊敬するスターリンの民族政策で
設置されたところで、シベリア開発の為に当初は2万人が
入植したという。
自ら望んで入植したのかどうかは分からないけど
民族政策の一環だったことから強制移住だったと
思うのが妥当だろう。
移住後、都会から来た人達には過酷な土地だったようで
大部分が去ったのと、スターリンの大粛清が始まって
人はいなくなった
残っていた人も1989に始まった
イスラエル移住計画でこの地を去った。
そうして、現在はこの人口になった。
『命のパスポート』で、ユダヤ人の命を救った杉原千畝氏の
名が耳にあると思うが、その時のユダヤ人はシベリア鉄道を使って
ここビロリジャンを経由して逃れた。
今回のウクライナ侵攻で、世界各国が支援している中
イスラエルは軍事支援を断り人道支援、医療などの
支援にとどまっているのも、ロシアに残っている
ユダヤ人の立場を考慮しているためと言われている。
(現在は、国名を出さずに軍事支援も行っている)
さすがに、ロシアのラブロフ氏から
「ヒトラーにはユダヤの血が流れている」との発言があった時は
強く抗議して、ロシアから謝罪の言葉を引き出した。
〇 蛇足
ロシア系のユダヤ人の名前はいくつかあって
イリア、レフ、ウラジーミルも入っている。
『ナポレオンソロ』と言う古い番組をリメイクした
『アンクル』という映画がある。
この中の、ソロの相棒のロシア人の名前が
イリア・クリアキンと言い、イリアと言うのはユダヤ系だ。
もう一つ、映画『アルマゲドン』に出てくる
ロシアの宇宙ステーションにいた飛行士はレフと言った。
奇しくも、ウクライナとロシアの大統領の名前が同じ
ウラジーミルだ。
プーチンにもユダヤの血が入っているのだろうか。
ロシアから外国に避難しようとしている人達は、
何代かさかのぼっても、ユダヤの血が入っている事が証明された
時はイスラエル国籍が貰えるようだ。
極東には、昔、移住を強制された人たちが残っている。
親と一緒にシベリアのさらに奥の極地に移住させられた
日本人がいて、今でも暮らしている。
自分の国に帰る事がかなわずに残っている人は多いと思う。
ウクライナが勝った時は、そういう人達が望むなら
祖国に帰られるように支援するのも、大切な事だと思う。
もちろん、侵攻で強制的に連れていかれたウクライナ人や
子供たちは言うまでもない。
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