トランジット

オーストラリアにツアー旅行のはずが、ある理由で

個人旅行になってしまったあの日。

汽車やバスで乗り換える事はあったけど

飛行機では乗り換えや乗り継ぎするようなところは使わない。

大きな広い空港で乗り換えなんて、わたしには無理だもの。

それなのに、行きの飛行機が台湾に着いたら、何かの放送が

かかって周りがぞろぞろと降りていく。

大きな荷物はそのままだったと思う。

何が何やらわからないまま、何となくみんなで

降りなきゃならないって事だけは分かった。

「パッセンジャー、パッセンジャー#”$%&’(何やら分からん)

 トランジット…」とかなんとかだけは聞こえた。

空港の待機エリヤに座っていたけど、いつ動くのかさっぱり

分からず、その場所から動けずにいた。

なのに、娘は親の心も知らずに、縄跳びで空港の真っすぐな

道を遥か彼方まで跳んでいく。

かなり待ってって言うかどれくらい待ったのか時間は

分からないけど、何とか乗る事が出来て出発。

後はシドニーまで一直線…と思ったのがはずれ。

隣に座った女性が日本人で、ご主人の赴任している

メルボルンに行くとの事。

シドニーで国内線のメルボルン行きに乗り換えるけど

自分は英文科を出ているので機内放送は大丈夫。

その言葉を信じて「シドニーについた」というので

飛行機を降りて荷物を受け取った。

宿泊場所までタクシーにのって着いたところが

何かの施設。

そこではじめてシドニーじゃなくてメルボルンだと判明。

通りの名前が似ていたんだね。

けど施設だったのが幸いした。

親切にお茶やジュースを出してくれて、空港に電話まで

してくれた。

その間、運転手さんはずっと待っていてくれた。

そうして空港に戻ってからは、運転手さんがカンタス空港の

カウンターで交渉?してくれた。

乗ったのは香港の航空会社なのにカンタスが何かしてくれるのか

なんて思っていたら、すぐに出るシドニーまでのチケットを

無料で提供してくれた。

片言でわかった事は

「我が国に来てくれたのに、間違って降ろしてしまった。

 シドニー行きのチケットなのにゲートを通して、荷物まで

 下ろしてしまった」これらは全部自分たちの責任だから

 シドニーまで送るのは当たり前…こんな事だった。

タクシーの運転手さんもずっと一緒にいてくれた。

カンタス空港のスタッフさん、運転手さん、施設の方

みんなとっても親切。

親切だけじゃ言い表せない位だ。

到着予定時間を何時間も過ぎて、ようやくシドニーに到着した。

シドニー在住の友人が、ニコニコしながら迎えてくれた

のが、これも又嬉しかった。

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