退職の翌日に試写会に行く

今から8年くらい前になるが、私が定年退職した翌日に函館に行った。

退職日に同僚から、明日から時間がいっぱいあるねって言われて、明日

から函館に行くのって伝えた。

明日からって?みんなが驚いていた。

友人が、函館で映画の試写会あるから行こうって誘ってくれたの。

試写会って言うのは一度しか行った事がない。

ずっとずっと前、「キャリー」って言うオカルト映画を一人で見に行った

だけ。

エンディングの、お墓から手が出るところで、声は出さずに

心臓がドッキン、ギャーってなった思い出がある。

友人はある俳優さんのファンだったらしく、その試写会が函館であるので

誘ってくれた。

でも、実の所は試写会の抽選に外れたんだって。

外れたけど、同じ建物の中で俳優さんと同じ空気を吸うだけで良いから、

ぜひ行きたいって。

友人に付き合う事にして、函館に出発した。

時間があるって良い事だよね、いつでもどこでも行けるものね。

試写会会場では、抽選に当たった人たちが続々と会場に入ってくのを、

ロビーの長椅子に腰かけて2人で見ていた。

友人の横顔が寂し気だった。

誰もいなくなったロビーで、ボーっとして座っていたが、その時に

気づいた事があった。

受付の女性が、席を立たずにテーブルに向って座っている。

あれ?ひょっとして?

テーブルまで行って、入場券ってまだありますかと聞いたら、あるって。

友人は入場券を2枚買って、2人で無事に試写会を鑑賞出来た。

最後に舞台挨拶があって、遠くからだけど生俳優に会えた友人は

とっても満足そうで、私も嬉しくなった。

ホテルの予約も済んでいるとの事で、近くの居酒屋でお疲れ様!

何を食べたか忘れたけど、ビールは飲んだよ。

名前は忘れたけど、楽しい居酒屋だったよ。

試写会の為に、4時間もかけて行った旅行は楽しかった。

わたしって、旅行に行ってもお風呂と食べ物以外はたいてい

覚えていないよね。

けどね、楽しかったって気持ちはしっかりと覚えているから良し!

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