真夏のビニールハウス

どうしてそうなったのか思いだせないが

多分有給を取って家にいるのなら

畑仕事にでも行こうよと母に誘われたせいだと思う

夏で北国にしては珍しく真夏日が続いていた時に

母に誘われてミニトマトの収穫に行った

こっちでは『でめんさん』と呼ばれるバイトだ

『でめんさん』の語源としては

出面(でづら)をとる…出勤の確認と聞いた事がある

それはさておき

暑かった!

ただ暑かった!

サクランボの収穫に行った時は梯子が重かった

ミニトマトはただただ暑かった!

そりゃそうだろう

北海道には珍しく真夏日だったうえに

ビニールハウスの中での作業だもの

おまけに着ているものと言えば

手首までの雨合羽に同じ素材のズボンをはいて

履物はゴム長靴

鼻と口は昔のデモ隊よろしくタオルで覆っていた

さすがに頭はヘルメットじゃなくて普通の帽子だった

とにかく暑い!

ずっと中にいると息苦しくなるほどに暑い

たまに外の空気を吸いにビニールハウスをよけて

外に顔を出して金魚みたいにパクパクしていたけど

30度越えの外気が涼しかった!

トマトは緑のへたが取れないようにはさみで切って

スーパーの買い物かごの中に入れていく

籠がいっぱいのなったら

ビニールハウスの外に出しておくと

いつの間にか回収してくれる

同じハウスの中で母と二人で収穫していたけど

話もしないでひたすらトマトを採っていたら

話し声が全然聞こえないからどうしたのかと

経営者がのぞきに来たことがある

同じことの繰り返しで話をする事もない

そういう仕事が自分の性に合ったのが

新しい発見だった

ただここでは働き手…でめんさんの中でのルールが

ひとつだけあった

一生懸命にトマトを収穫しちゃいけないって事

みんな同じくらいの収穫をして多くを採るのは

ダメなんだって

大体のところ籠にいくつって決まっていた

ある程度とったから後は…なんてそんな器用な事は

できっこないから採れるだけ取った

毎日お昼を出してくれて10時と3時にはおやつ

帰りには車に野菜やスイカをたくさん積んでくれて

おまけに車のガソリン代まで出してくれた

畑仕事も自分にあっているような気がした

たくさん汗をかくのも心地いい

畑仕事も良いもんだと思った

友人が畑を貸してくれると言ったけど

膝が悪くてしゃがめないから無理だよね

あ~残念

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