春霞

外に出たら暖かくて

雪が残っているのに庭を一回りした

一回りって言ってもほんの花畑程度の庭だから

あっという間に終わってしまう

空を眺めたら明るいような曇りのような

そんなおかしな空模様

今日は雲はかかっていないはずなのに

そんな時は雲の情報が分かる気象案内

やっぱり雲はかかっていない

してみるとこれは『春霞』って言う奴だろうか

霞って言う言葉は春に使われることが多いようだ

似た言葉に『霧』や『もや』があるけど

どれも視界がはっきりしない事をさすけれど

霧ともやは天気予報で使うけど

霞(かすみ)はあまり聞かない

霞がちりや水蒸気やいま飛んでくる黄砂が

混じっているから差別してるのかな

それなら声を大きくして抗議するところだ

だけどあのやっかいで迷惑ともいえる黄砂混じり

だからあまり文句も言えない

  春霞で遠くの山がけむっている

なんて言うとロマンチックで聞こえが良いけど

  あら今日も黄砂で曇っている

って言うと何とも気分が沈んで

外に出るにもマスクをかけないと思ってしまう

けどこの黄砂は粒子が細かいから

マスクだってすべては防げない

目にだってつくだろう

目をこするなって言ってもそれは無理な話

思わずうっかりとこすってしまうのだから

『春霞』字を見るとまことに美しい言葉だ

それが大陸の砂漠から飛んでくる砂のせいもあるって

それを知ってしまったら少しがっかりだ

春霞は万葉集にも載っている

やんごとなきお姫様が御簾の中から外を眺めて

春霞だわ

なんて思っていたのだろう

鼻水を垂らしてくしゃみをしながらが残念だけど

黄砂だ黄塵だわって思うのじゃなくて

遥か海を隔てた大陸の砂漠に

思いをはせてみるのも良いかも

コメント

タイトルとURLをコピーしました