お正月

孫が曹祖父母の写真に向かって、両手をパンパンと打ち合わせて一礼する。

「手は叩かなくていいの」と娘。

それを聞いてにっこりと笑い、分かったと言う顔で孫は

打ち合わせようとする両手を2~3センチの所で止め神妙な顔で「こう?」

あ~違うんだけど良いよね、気持ちだから。

写真でしか会ったことのない曹祖父母だけど、ちゃんと挨拶してくれるんだ

嬉しいよ。。

こんな一コマがあった我がのお正月。

人が集まると家の中は暖かいのを通り越して暑くなる。

孫は半袖とズボンを膝上までまくり上げた格好で過ごしている。

大寒波に襲われたお正月だったけど、家の中は真夏。

この家は良いね、どこに行っても寒いところはないものとみんなでゴロゴロ。

ひざ掛けとか、暖かいスリッパとかいるかなと思ったけどいらなかったと娘。

お正月、あ~そうだった。

私にとってのお正月は、娘一家が帰省してくれるからお正月なんだ。

作ったお料理を美味しい美味しいと言って食べてくれる。

孫たちと動画を観て、紙粘土をして楽しんだ。

両親の家ももうないので、実家と呼べるもののない私だけど、今は我が家が実家。

買い物はどうしているのか、宅配だけでは欲しい物が買えないのではと

心配してくれる娘に、元の職場の同僚が買い物に連れて行ってくれると

話すと、余市からわざわざここまで来てくれるの?と安心していた。

「あら?ツキネコカフェに行ったの?」

ツキネコカフェは、札幌にある保護猫と里親を繋ぐカフェで保護した猫たちの

ケアや保護猫の譲渡活動をしているところ。

それも元同僚が買って来てくれたのと答える私。

「それって、ちゃーちゃんに買って来てくれたんじゃない?」と娘。

我が家で同居していた、フレンチブルドッグの女の子がチャーと言う名前で、

6月に亡くなったんだけど、食欲のないチャーの為にあれこれとフードを買って

来てくれていた。

宅配で買えない者で欲しい物があったら、自分が注文してここに届くようにする

からと言ってくれた。

わたしって、本当に幸せだなって実感している。

両親も幸せを感じてくれていたんだろうか、と少し不安になった。

できるだけの事をしたから良いよね。

出来なかったこととと言えば、心残りがある。

母とデイズにーランドに行った時に、その頃にあったスーパーシートに乗って

行った事を父に教えたら、仕事で北は稚内から南は四国まで旅をしたのに

「スーパーシートって乗った事ないな。ディズニーランドも行きたいな」と

言った父に、連れて行くよって言って行けなかったこと。

戦争で従軍したときの話をして、台湾の阿里山を行軍したけど眠たかったな~

眠りながら歩いたんだと言っていた父。

仕事で時間がとれるようになったら台湾に行こうって言ったのに行かれな

かった、これが心残り。

お正月と言えば、宮本武蔵のドラマがあるから観たい、2日間かけて10時間

以上もやるんだと言って新聞に印をつけて楽しみにしていた父。

それなのに、私がやっていたRPGのドラゴンクエストを隣でずっと観ていた

のが思い出される。

面白い?聞いたわたしに「うん、面白い!」と言った父。

ゲームを教えてあげたら結構はまったかも知れない。

『親孝行しようと思うと親はなし、墓に布団はかけられず』とはよく言ったもの。

本当にその通りだなと思いながら、心残りを思い返している。

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