勘違いと方向音痴

40年位前に、夜間専門の救急センターで

働いていた。

仕事は、夜の6時から朝9時まで

1年365日の半分、一日おきの仕事。

今で言うとブラックもブラック。

川沿いにある市場で、夕飯を買ってから通勤。

途中に花屋さんがあった。

外看板に『どじょうあります』の文字。

花屋さんだもの、園芸用の土なんか

売っているんだろう。

ある日、何気に店内を覗いてみたら

大きな木桶に『どじょう』がたくさんいた。

調理してくれるとの事に、串焼きにして

もらって、父へのお土産にした。

我が家は母子家庭、今はシンママと言うそうな。

月に一回、娘と二人で映画を見たり、

外食をしたりとゆったり過ごしていた。

(朝まで仕事で、すごく眠たかったけど)

映画の前売り券を買って、シャチの映画

オルカ?を見にいこうとした。

上映時間に間に合わせ、切符を出したら

「これでは見られません」と笑顔のもぎり嬢

(今はもぎり嬢って言わないかな)

わたし、どうして見られないのと聞いた。

もう始まってしまうもの。

「この映画は、隣ですよ」

恥ずかしかった。

謝りつつも、気持ちを入れ替えて

隣の映画館へ。

シャチはきれいだったけど、可哀そう

に思った映画だった。

行きつけの化粧品店でアイブロウを買った。

せっかく眉を描いても長持ちしない。

顔見知りの店員さんに、その旨を伝えた。

「あら、これはアイライナーですよ」

恥ずかしかった。

小さな勘違いはいっぱい。

方向音痴も、一種の勘違いと思う。

大型店に入ったら、しっかりと周りを

見ておくようにしている。

違う出口に出たら、道に迷ってしまうから。

娘の家から10分くらいのスーパーに

買い物に行った。

買い物はしたけれど、道に迷ってしまい

途中から降ってきた雪に阻まれ(大げさ?)

帰り道に一時間以上かかった。

顔にも頭にもコートにも雪

日も暮れて、人も歩いていない。

もし歩いていても、聞けないよ

恥ずかしくて。

ようやく家の近くと分かった時は

言葉に言い表せない思い。

RPGが好きで、寝落ちするくらいに

ゲームをしていた頃

ダンジョンでいつも迷っていた。

迷うというより堂々巡りか。

解決案を考えた。

右と思った時は左へ

左と思ったときは右へ行ってみよう。

うまくは行かなかった。

やっぱり思った通りに行こう

そうしていたら、なんとかクリア。

人生もそんなものかな。

無理に思う事と反対の道を行かなくても

回り道でも、ゴールに着く。

ワンピースのラフテルへの道みたい。

道はたくさんあるけれど

ラフテルに繋がっている。

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