湿った雪は嫌いだ

「どこにいるの?帰ったらうちに来て~!」

どこって言われても仕事なんだけどね、なんか急いでいる風だから早く

帰って母の所に行かないと。

あの時も、大雪の後に暖気になった時だった。

除雪もしてあるから、玄関も開くはずなんだけどどうしたんだろう。

まずは帰って母の所に行かないとね。

母の所に行くと、ストーブを消して部屋が寒くなっていた。

「ストーブね、おかしくなって!不完全燃焼で消えたんだわ」

さすが北国の老人は不完全燃焼ってさらっと言えてる。

外に出て、家の周りをぐるっと回って裏側に行ってみた。

ストーブの排気筒が出ている所だ。

屋根から落ちた雪で排気筒が埋まっている。

又ぐるっと回って玄関からスコップを持ち出してから、埋まっている所

を掘り出した。

ストーブは難なく点火できて、いつものように炎をあげて燃えた。

排気管の出口は地面から1メートル半くらいの所にあって、熱気の為に雪は

溶けていたんだけど、気温が高くなったせいで屋根からの雪が一気に落ちて

排気管を塞いでしまったと言う訳だ。

母の言うように、それで不完全燃焼になるわけではなく自然送風とかにな

るので問題はないのだけど、風が来なくなったから驚いたんだろうね。

それからは、雪が降ると玄関周りの除雪だけでなくて排気管の除雪にも気を

配るようになった。

屋根からの雪って言っても、いわゆる小屋根って言うの?幅は1mくらいの

屋根なんだけど、落ちると埋まってしまうんだよね。

他は、無落雪屋根だから心配はないけど。

「風が吹いたからおっかなくて(怖かった)」

「雨がバチバチって降って来たから」

なにせ、次々に不安材料が出てくるらしかった。

そういう気持ちが出てきてるうちは、むしろ安心。

一つづつ何か考えてあげると良いんだから。

結局は、一番の解決策は私の家に来ることだった。

それと災害リュック、中には電池や軍手、ホッカイロがたくさん入っていて

母には到底背負えない重さだったが、それは言わないでおいた。

わたしの家では、2匹いた猫がぴったりとそばに居てくれるから、安心し

たんだって。

今回の大雪が降った地域は、降る雪や除雪の様子を見ていると、湿った雪が

多いようなので、一人暮らしの方は不安に過ごしているだろうって思う。

何年か前の大雪の時は、山奥の地域が孤立してしまって停電になった上に

灯油の配達が出来なくなってひどく困っていた。

除雪はもちろん大事だけど、暖房器具の種類も把握していたらいいのに

って思ってしまった。

例えば停電になったら使えない暖房器具を使っていないかとか。

母のところは、安心材料としてポータブルの灯油ストーブを準備した。

わたし?ポータブル灯油ストーブに、停電でなければこたつに温風暖房と

灯油もしっかりと備蓄している。

あ~他に炭が1箱あったよ。

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