避難…そして残らざるを得ない人達

3回目の停戦交渉が終わったウクライナとロシア。

お互いのと言うか、ロシア側の要求は答えられないもので、交渉にも

ならないのではと思う。

その中で人道回廊が約束され、避難している時は攻撃しないという

ものだった。

けれど1回目の時は避難している時にも爆撃があって、移動する事

も出来なかった。

その後も、停戦の時間が守られなかったり、避難のバスを爆撃されたり

避難している所を攻撃されたりと、約束は守られなかった。

今度は停戦をして、人道回廊が安全に通れるようにとルートを示して

来たけれど、2本は国境側からウクライナの中央付近へたどる道、残り

の4本はベラルーシを通りロシアへ行く道と、国境を越えてロシアへ入

る道になっていた。

そんな道を避難する人がいる訳がない事さえ、プーチンはわからないの

だろうか。

ロシア側の言い分は、ウクライナの国民をロシアで保護するためだそう

だが、軍事施設以外の学校や病院、民家を爆撃した時と似たような言い

訳をしてきている。

軍事施設以外の建物の中に、武器や弾薬を隠しているから攻撃したと。

今度こそ、無事に国境を越えて欲しいものだが、気がかりがある。

それは、いくつかの動画でも指摘している事だが、停戦して避難をさせた

ら残っているのは男性だけとの言い分で、爆撃が加速するのではないかと

いう事だ。

いまウクライナに残っている人の中には、自ら戦う事を選んだ女性や、

病気の家族を看護するためとか、ペットを残していけないからとか、

国から離れない事を誓った高齢者がいる。

また、シェルターに避難しているたくさんの新生児ベッドから分かるよう

に、新生児とその母親、医療従事者も避難は出来ない。

重症の病気で治療中の小児もいる。

あと少しで治療が終了するはずだったのに、医薬品がなくなってと、隠れ

るようにして泣いている脳腫瘍の子供の母親がいた。

医師は、「今ここにいる子供たちは、近いうちに〇んでいくでしょう」と

記者に話していた。

もう医薬品がなくなって、運んでくる術がないのだという。

いま、ウクライナ国内に残っている人の多くは、避難できない弱い立場の

人達だと言う事だ。

私は、長い間を医療に従事していたので、母親や医師の気持ちが痛い程に

分かる。

治療の術があるのに医薬品がなくて治療が出来ないなんて。

この世に生を受けて数日の乳児を見ても、指を口に持って行ったり、口を

もぐもぐと動かしているのを見ても、鼻の奥が痛くなる。

出産を控えた母親が、「この子が生まれる時は平和になっていて欲しい」

と愛おしそうにおなかをさすりながら言っていた。

その母親の祈りが届きますように。

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