絹に香をまとう

ひょんなことから、お香やさんで香木のかけらを貰った。

その香木は『伽羅』

香木の中では伽羅が一番の高級品。

けどね、薄汚れたみたいな木のかけらが本当に香木?

疑いの気持ちで家に持ち帰った。

お香やさんが持たせてくれたのは小さな炭が数個。

2cm×1.5cmくらいの硬い四角い炭。

この炭に火をつけて、その上にアルミ箔をのせて

アルミの上に伽羅をのせるんだって。

和服の虫干しもかねて、2階の6畳間に着物を広げた。

伽羅は椅子の下に置いて、その上にも着物を広げた。

最初は何にも匂いがしないものだから、あれ?って感じ。

まずは待ってみよう。

そのうちに香木からプチプチと樹液?みたいなものが

出てきて、香木の匂いが広がって来た。

何という事でしょうって始めに言う番組があったけど

それこそ何という事でしょうだった。

目を閉じると、我があばら家が『雅』の一言に

ふさわしい香りでいっぱい。

2階だけじゃなくて、1階まで伽羅の匂いが降りていった。

お香の種類は線香とかコーンとかあって

高めのお香を焚くのが楽しかったけど、伽羅は別物だ。

その後も伽羅を買う事は出来なかった。

今回、何気に伽羅の値段を調べてみたら、

粉・薄い木・と形を残すと高くなっていく。

その伽羅そのものにも段階はあるけど、大体が1グラム

いくらで売っていた。

むかし私が見た伽羅の木には『価格応相談』ってなっていて

値段がついていなかった。

伽羅の入ったお線香くらいは欲しいな。

何年かしていなかった虫干しに、お香を炊き込めたいな

なんて思った今日だった。

さあ、今日はお香を炊こう。

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