茗荷がいっぱい

母が好きだった物のひとつ茗荷

好き嫌いが多かった自分の嫌いなもののひとつ茗荷

けどいつからか大好きになっていた茗荷

庭の隅で毎年のようにたくさん採れていた

いつからか採れなくなった

何回か植えてみたけどチラッとも出てくれない

友人の家の湧き水のそばに名荷が出ていた

そこは家の周りに山菜がある

何とも羨ましい

その友人が今日たくさんの茗荷を持ってきた

名荷が好きなわたしに「今採って来た」って

いくら好きな茗荷でもスーパーで買おうとしたら

小さいパックに3本くらいしか入っていない

たくさん食べたいんだ

食べていて少し物足りない位なら良いけど

全然足りないなら食べても悲しい

今日は思う存分に食べられる

少し苦味があってシャキシャキ感のある茗荷は

大人にならないと良さが分からないだろう

ただ茗荷を食べると物忘れをするとも言われている

物忘れをするかも知れない食べ物

そんな怖い思いをしてまでも食べたい茗荷

昔の人の言う事には真実があるもの

本当に物忘れをするんだろうか

『日本昔話』では山奥にあった宿屋の話し

欲深な宿屋の女将が客に茗荷を食べさせて

宿賃をたくさん取ろうとした

けど自分も食べてしまって宿賃を貰うのを忘れた

そんな話だったような

他には

お釈迦様の弟子に何でもすぐに忘れてしまう

人がいた

自分の名前さえ忘れてしまうから

町の人にお釈迦様の弟子と信じてもらえず

お布施を貰えないで帰ってきていた

お釈迦様が名前を書いたのぼりを背負わせて

町を周らせてたくさんのお布施を貰って来た

もう一つは

やっぱり同じお弟子さんの話

自分の名前さえ忘れる愚かさに途方にくれていた

お釈迦様は「自分が愚かだろ気づいている人は

知恵のある人です」

「自分の愚かさに気づかない人が本当の愚か者です」

そうして短い言葉を教えて

その言葉を唱えながら毎日お掃除をしなさいと言った

そうして毎日毎日お掃除をした弟子は

何十年か経つと『阿羅漢』と呼ばれる地位になった

お釈迦様は

悟りを開くという事はたくさんの事を覚えるのではなくて

一つの事を徹底して覚えるということだと皆に伝えた

その弟子がなくなった後にお墓から見知らぬ花が出てきた

弟子が自分の名を荷って頑張った事から

その花は名荷(みょうが)と名付けられたそうだ

名荷を食べると物忘れをするのじゃなくて

物忘れをしていたお坊様がお釈迦様の教えを一つだけ

徹底した事から何十年後には高位のお坊様になった

わずかな事でも毎日積み重ねることが大事

なんて教えじゃないのかなって思っている

何にせよ多少の物忘れはこのばあちゃんは怖くない

なので毎日でも茗荷を食べる

       辻調グループのコラムを参考にした

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