お彼岸と彼岸花

今日は秋のお彼岸で秋分の日。

祝日になっているが、また祝日が引っ越しかなと思っていたら、

秋分の日は、国立天文台が決めるので日を替えることはないそうだ。

昼と夜が同じ長さになる日と言われているが、厳密には、

昼がいくらか長いそうだ。

秋のお彼岸になると、あの燃えるように赤い『彼岸花』を連想する。

彼岸花が秋に咲くだけではなく、冬が近くなって物悲しい思い

をするから、不吉とも言われる彼岸花を連想するのかも知れない。

彼岸花は別の名前がたくさんあり、方言を含めると500~1000もの

別名を持っているそうだ。

一般には曼殊沙華が有名と思う。

気になった名前で、『ハミズハナミズ』と言うのがあると、今回

初めて知ったけど、おかしな名前と思ったのは事実だ。

彼岸花は、葉と花が一緒に出る事がないので、こう呼ばれるそうだ。

花が咲くと葉が見えず、葉が出ると花が見えないから『ハミズハナミズ』

と言うそうだ。

秋に花が枯れた後に葉が茂り光合成を行い、春が過ぎた頃に葉が枯れ

休眠状態になって、秋の彼岸の頃に花芽を出して花を咲かせる。

葉が枯れた後の休眠状態を経て、すっくと伸びた茎の先に赤い花が一斉開花する。

知られている花の色は真っ赤で、他には黄色、白、ピンクがあるとの事

だが、赤以外には見たことがない。

昨今のブームになっている『鬼滅の刃』では、敵の親玉が必死に探して

居たのが青い彼岸花だが、現実にはないそうだ。

彼岸花は、種が出来ず球根で増えていくので、他の花のようには簡単に

品種改良が出来ないそうだ。

種がなくてどうやって増えてきたのだろう。

種を作るためには、染色体が2セット持つ2倍体が必要だ。

種が出来ないのは染色体が3つの3倍体なので、種は出来ずに球根によって

増殖していくそうだ。

彼岸花の1種のショウキラン(ショウキズイセン)は種ができるそうだが、

祖先の曼殊沙華から染色体突然変異を重ねて出来た物ではと言われている。

ちなみに、人間の染色体は23対46本で、2の倍数なので2倍体と

なるそうだ(1~22番が常染色体で、番号が付いていない1対が性染色体)

ところで、彼岸花はどうしてこうも不吉なものと思われたのだろうか。

お墓の近くにあるイメージ強いからだろうか。

昔は、田んぼの畔や墓地、人のいる所にあったと言われている。

彼岸花の花や葉、茎は毒性が強く、特に根はさらに強い毒性を持っている。

そのため、地面の下ではモグラや虫の忌避作用を利用し、墓地を守るために

人為的に植えられていた。

ただ、強い毒をもっている球根でも、毒抜きをすると食料になるために、

人家の近くに植えて、食糧が不足したときに食べたそうだ。

インドネシアやタイで生産されているキャッサバ、ユカ芋も干ばつに強い

作物とされ多く植えられているが、毒抜きと調理をした上で食用にされている。

日本では、彼岸花の呼び名を怖いイメージで呼んでいることが多い。

あまりに怖い呼び名なので、あえてここには載せたくない。

けれど、曼殊沙華と別名で呼ぶ場合は、サンスクリット語で「天界の花」

といういう意味を持ち、天から花がひらひらと降ってくると、良い事の前兆

とも言われているそうだ。

仏教では、曼殊沙華は白く柔らかい花とされ、見た物の悪行を払うとも

信じられている為、おめでたい花とも言えるだろう。

こんな風に考えると、一概に彼岸花を悪く思う事もなくなった。

また、彼岸花を通して、お彼岸をおはぎを食べる日(私の場合は)とは

別にしっかりと考える事が出来たように思える。

彼岸花を見た時にも、違った見方が出来ると思う。

※2倍体、3倍体については減数分裂を参照してください。

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