黒猫は不吉じゃないよ

「ばんちゃん、黒猫が前を横切ったら不吉なんだって」

「うち、いっつも烏之助が前を通っているよ」

烏之助は我が家にいた黒猫の名前。

友人の息子が教えてくれた、黒猫のことわざ。

そうなのね、黒猫って使い魔って言われて、だから不吉なんだって。

黒猫だけがなんでこんな事を言われるんだろうね。

まあね、黒猫に限らず、猫にまつわることわざは他にもあるけど、

だいたいのところは、あまり良い意味には使われていないかな。

そんなこんなでことわざを調べてみたら、ずいぶんあるんだよ。

ちなみに、猫にまつわることわざは、日本国内だけで100個近くある

らしいよ。

日本でのことわざに似た、外国のことわざを調べてみたよ。

   外)猫の留守中にねずみが躍る

   日)鬼の居ぬ間に洗濯

うるさい人がいない間に羽を伸ばしてくつろぐ事、かな。

   外)犬と猫の仲

   日)犬猿の仲

すごく仲が悪い事のたとえ

   外)眠っている猫を目覚めさせる

   日)やぶへび

余計な事をして、かえって悪くなってしまう事。

アイルランドのことわざに、『猫を嫌う人に気をつけろ』って言うのが

あるんだけど、猫を嫌う人は、人を支配したりするのが好きだからって

いう意味で、自由を好む猫を支配しようとしようとするのが間違いだって

事なんだって。

黒猫に話を戻すけど、本当は、黒猫は幸福の象徴とも言われている。

古代のケルトや北欧では、黒猫は神聖な動物とされていたの。

だけど、キリスト教の普及で、それまでの宗教が否定された時に、旧宗教

の物語で活躍していた猫は『邪悪な生き物』ってみなされたようなのね。

日本でも、本来、黒猫は縁起の良い生き物ってされてきたけど、

エドガー・アラン・ポーの短編『黒猫』で不吉なイメージが出来上がった

みたい。

日本では『招き猫』があるけど、その中でも黒猫は特に縁起が良いと

されているんだよ。

江戸時代には、カギしっぽの黒猫はとっても縁起がいいってされて、

商人はお金を出して探させたんだってさ。

黒猫が横切ると不吉って言うのも、もともとは黒猫が寄ってくると幸福を

持ってくるって言われていて、その黒猫が横ぎってしまうと幸運が素通り

したっていうとらえ方をした説もあるみたい。

わたしは動物全体が好きだから、猫も黒色でもなんでもかまわないけどね。

いまはもう何も飼えないから、少し寂しい。

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