福原漁場

この地で、幕末からニシン漁を行ってきた福原氏の所有していた建物群が

ここ福原漁場だ。

広い敷地に、母屋を中心としたさまざまな建物が点在している。

積丹方面へ走ると、福原漁場駐車場という看板が見えるが、そこを通り越して

少し行くと又、駐車場の案内がある。

車を停めるなら、こちらの方が便利と思う。

入り口で入場料を払い、その前を通って歩くと母屋の入り口に着く。

私が行った時は、小雨がぱらついていた時だった。

母屋の方へ歩いていると、後ろから誰かが追いかけてきて声をかけてきた。

振り返ると入り口に居た若い男性で、傘を3本「使って下さい」と

貸してくれた。

そう、大体の所、散策は孫2人を伴っての3人で出かけていた。

ちょっとした心遣いが嬉しい日だった。

母屋の小さな入り口を入ると、天井高の広い板の間が目に入る。

海からの風を遮るために、あえて入り口を小さくしているのだろうが、

入り口を入った所の板の間は、あまりの広さにまるで別空間のようだ。

真ん中には囲炉裏が切っており、その上には何足もの藁草履が干してある。

囲炉裏の上には自在鉤につるされた鉄鍋が見える。

この場所は漁夫溜まりと呼ばれる場所だ。

出稼ぎの漁夫が、外から帰ってきて草履を干し、食事を摂ったであろう

事が見て取れる。

左の窓際には、長い水屋にたくさんの桶などが置いてあり、ここで食事の

支度をしたのだろう。

右側を見ると、一段高くなった場所に畳敷きの座敷があり、親方や位の

高い人の居室がある。

地位によって畳敷きになり、床も高くなっているようだ。

いくつかの座敷はふすまによって区切られている。

母屋から出ると、敷地の中に作業場や干場、書庫などが点在している。

見学できない場所もあったが、広い敷地をゆっくりと見学するには

かなりの時間を要する。

干場は、木を組んで干物を下げるようになっており、漁村に行くと

同じような物があったと思い出した。

貯蔵庫は、害獣が侵入できないように『鼠返し』のような作りになって

おり、当時はそういう被害も多かったのだろう。

書庫の中には、その時代の雑誌類も多数あり、マニアには垂涎ものだ。

福原漁場の見学がすんだら、近くにニコー食品と言う蒲鉾屋さんがあるので

寄ってみて欲しい。

その場での揚げたて蒲鉾がとても美味しい。

ただ、道路沿いではあるけど、少し分かりずらいかも知れない。

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