私の泳ぎ方って変なの?

ほたる鑑賞の為に宿泊したホテルのプールでの事。

夕飯までの時間をプールで過ごすのが、毎度のスケジュール。

程よい温水で、ほとんど貸し切り状態のプールは、居心地が良い。

身体が冷える事もないけど、プールより水温の高いジャグジーもある。

シャワーを浴びてプールに入った私。

水音も立てず、水しぶきも立てず、それは優雅に(自己評価)泳いでいた。

連れの孫は、さすがにスイミングスクールに通ったと言うだけある、綺麗な

フォームで背泳やクロールで泳いでいた。

「ばんちゃんの泳ぎ方って、なんか変」って言われた。

え?なんで?

私の泳ぎ方は、水面に真横になってあおり足をしながら泳ぐものだった。

そうなのか?変かな~。

じゃ~平泳ぎをしてみようかな。

初めの2~3かきまでは良かったが、いつの間にか身体が横になっている。

『横泳ぎ』と習ったが、後で知ったが『古式泳法』というものだった。

半世紀以上も前に、水泳の講習会で習った泳ぎ方だ。

その講習会では、始めに顔を水面に浸けたままでのバタ足を習う。

次の段階では犬かきを習う。

一定の基準で犬かきをクリアすると、次が横泳ぎになる。

指導してくれた人の話によると、この泳ぎ方が一番体力を消耗しないそうだ。

また、人命救助にも適している泳ぎ方だそうだ。

ちなみに、溺れている人がいても、絶対に前から行く事は良くない、しがみ

つかれて一緒に溺れてしまうからとの事だった。

どうすると良いかというと、潜って相手の足を水中に引っ張って半ば気を

失わせてから救助すると良いそうだ。

ずいぶんと乱暴な話だが、そう習ったのは確かだ。

横に泳いでいるので、上になったほうの腕で相手の顎を引っかけて、足と

下側の手で水を掻いて泳ぐそうだ。

考えなくても、ひどく極端な救助方法だったと思う。

この泳ぎ方と並行して習ったのは、いわゆる立ち泳ぎで、その場で手足を

動かして水を掻いてその場に浮かんでいる方法だ。

なんで救助方法などを最初に教えたのだろう。

おかげで、あおり足がきちんとできるようになるまでは、ずっと波うち際で

練習をしていた。

せっかく海に来ているのに、なんで波うち際でこんな事をしないとならない

のだろうと言うのが、その時の紛れもない感想だった。

そんな訳で、横泳ぎをマスターした私だったが、横泳ぎは講習会の泳ぎランク

の中では下の方だった。

だってね、犬かきの次だものね。

それ以来、私にとっての水泳は横泳ぎであり、それ以外は習得していない。

かなり経ってから、それが古式泳法の一つであると知った。

鎧兜をつけたままで泳いだり、片手に持ったものを水に浸けないで泳いだり

するための泳法と言う事だが、私は重い物を装備して泳ぐつもりもないし、

忍者になるつもりもないのだけど。

古式泳法はかなりの流派に分かれているらしいが、私の習ったものは何流に

なるのかは分からない。

多分これからもわからないと思う。

けれども、泳げるのか聞かれた時に「はい、古式泳法ですが」って答えるのは

少し気分が良いものだ。

「え?古式泳法って何?」って聞き返されるのはいつもの事

孫から、クロールや平泳ぎを習ったが、全く覚えられなかった。

68歳ばんちゃん、これからも古式泳法で行きます!

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