どう歳をとるか

先日、買い物の時に、友人から一冊の本を貰った。

樹木希林さんの『一切なりゆき』

彼女は、時間ですよという番組で有名だったそうだが、その時は

まだ若かった。

若かったのに、かなりのお年寄りの役柄で「ジュリー~~!」と

叫びながら身をよじっていたのが微かに記憶にある。

悠木千帆さんからいつ樹木さんになったかは、はっきりと覚えては

いないけど、いつの間に名前を変更していた。

私は、年齢を重ねてからの樹木さんが好きだ。

出演した映画は色々あったけど、助演で出演していた『ツナグ』と

『日日是好日』が大好きだ。

若い時に、どんな年の取り方をしたいかと折に触れては考えていた。

可愛いおばあちゃんを目指すか、憎まれっ子何とかのおばあちゃん

になるか考えていた。

できたら可愛いおばあちゃんになる方が、断然いい。

可愛いおばあちゃんになるために努力する月日はまだ残っている。

けど、可愛いおばあちゃんって努力してなるものだろうか。

毎日の積み重ねで、いつか周りからそう思われたいと考えるのは、

わがままかな。

もう一つ、何かの本で読んだのだが、若い時にいくら高価な物を身に

つけても、中身が伴わないと高価とは思われない。

それよりも、年を取った時に安物を身に着けたとしても、あの人のつけ

ている物だから本物だろうと思われるような中身になりなさい…と

書いてあった。

高価な物は持っていないし、ブランドにも興味はない。

せめて、中身のある年の取り方をしようと思う。

68歳なんて、もういい歳なんだからとは言われたくない。

中身なんてないだろうと言われたとしても、これから日々がある。

『日日是好日』にはいろんな解釈があるようだが、私なりに考える事は

良い日もそうでない日も受け入れて、毎日を積み重ねていくことが

好日に繋がると思いたい。

ある将棋の方が、自分の座右の銘は『構えず』だと言った。

若い頃に会った友人は「母子家庭だからって、突っ張らないで生きろ」と

言ってくれた。

どんな風でも倒れないで立っている柳の木も、突っ張らず、構えずを

体現していると思う。

自分の意見は意見として持っているけど、それに固執せずに周りの意見も

きちんと聞こう。

助けの手を差し伸べられた時は、有難く受け入れよう。

日々、あるものに幸せを感じて、淡々と生きて行こう。

周りに甘えよう。

だって、もう68歳のばあちゃんだもの。

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