札幌開拓記念館

「ねえ、見てみて!」

楽しそうな声に、上の孫と振り返ると

蕗の葉を傘のようにさして、嬉しそうに踊っている下の孫。

すぐには声を出せず、上の孫と固まってしまった。

そんな事には気づかずに、蕗の葉をかぶって踊っている孫。

ようやく、上の孫と2人で声をあげた。

「それ、それ、捨てなさい!」

それでも、なんで?って顔で嬉しそうにしている。

ここ、札幌開拓記念館の注意事項に

『草を切ったり枝を折ったりしないでください』

なんて立て看板で、注意喚起していたの。

不思議そうな顔で、蕗の葉を草の中に捨てた孫。

それから、ゆっくりと教えた。

まあね、このこと以外は子供たちが迷子になる事もなく

楽しく村内を散策した。

私が迷子になった事は開拓記念館での我が家の歴史。

昨年も行こうと思って、ホテルの予約をしたけど

都合が悪くなって行かれなかった…残念。

孫たちも大きくなると、それぞれが学校の行事で

みんなの都合が合わなくなるのが残念だ。

蕗の葉には苦い思い出がある。

数十年前の、娘の運動会。

前日からの夜勤だった私は、翌日の11時近くなってから

学校の校庭についた。

小さな学校だったから、みんなのいる場所はすぐに分かる。

シングルマザーだったので、寂しくないように

運動会は、母を始め、友人知人を総動員しての応援。

すごく暑い日だった。

風もなく、空は青空、黙って座っていると

肌がじりじりとするような日差し。

さほど時間がたたないうちに、頭が熱くなってきた。

見ると、みんなは帽子をかぶっている。

私の分の帽子は忘れてきたらしい。

後ろの方を見ると蕗があった。

3枚ほど切って、重ねて頭にかぶった。

『コロポックル』みたいだって笑われたけど

暑いよりはまし。

ただね、蕗の葉は時間がたつとしおれてしまう。

くた~となった蕗の葉をかぶったままのわたし。

蕗の葉の苦い思い出。

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