鬼も内

鬼も内

鬼も内って掛け声の所が国内にはいくつかある

それを知ったのは奈良県天川村天河神社の神事からだ

その天河神社を知ったのは音羽山観音寺の放送を

観た時だった

観音寺は尼寺でそこの密榮住職ともう一人の尼僧と

お手伝いの人が作る精進料理は見ているだけで勉強になる

単に料理を作るというだけじゃなくて

その作る過程がすばらしい

ゴマをするにしてもそれは丁寧に摺っている

何でもいい加減にしている私にとっては

観ているだけで心が洗われる(おおげさ)思いだ

そこの副住職佐々木慈瞳さんが招待されたのが

天河神社の神事だ

学校で子供たちと向き合うカウンセラーで

神社の身内である学生から招待された

この神社は役行者のお供である

前鬼と後鬼の子孫だと言われている

節分の前の晩に『鬼の宿』として鬼を迎えるために

夜が更けてから迎えるための準備をする

布団を敷いて食事を用意して水を張った手桶を用意し

一晩おく

翌早朝に手桶の底に砂が沈んでいたら

鬼が泊ったという証になる

そうして節分では「福は内」「鬼は内」と

掛け声をかけながら豆をまくという

日本昔話の中に『泣いた赤鬼』と言うお話がある

子供のころに初めて読んだ時から

赤鬼を悪者にして村人と仲良くした青鬼に腹を立て

赤鬼が可哀そうでならなかった

そんな心優しい赤鬼だもの

どこかで「鬼は内」って呼ばれていたら良いな

なんて思ったりしていた

この神社以外でも鬼は内と掛け声をかけるところがあるし

鬼が近寄らないからと言う理由で

豆まきをしない地域もあるという

こんな豆まきの季節になると

ひっそりとだけど北海道の豆まきが落花生だという

そう言う話がひそひそとされる

落花生で豆まきをするのは北海道だけじゃないんだけど

なぜかそう言う事になっている

子供心に何か違っているんじゃないだろうかって

思っていたし母にも聞いた事がある

どう答えられたかは忘れたけど

煎り大豆での豆まきをしたのは50歳を過ぎて

施設勤務になってからだった

落花生と違って煎り大豆は小気味いい音をたてて

床や壁に飛んでいった

あの音なら悪いものも逃げていくだろう

私が思った大豆のわるいところ

お掃除の後にうっかり豆を踏んでしまって

ひどくいたい思いをしたことがある

あんな小さな豆ひとつがね

外国の昔話でベッドの下に置いた豆一粒が

お姫様の眠りを妨げたって話があるけど

そのお話を作った人も

豆をうっかりと踏んでしまったのだろうか

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