狂暴な猫と2歳児のおままごと

「うわ~~ん!〇ちゃんが叩いた~!」

とうとうか

あんなに注意したのにと言う思いで娘と顔を見合わせ苦笑い

娘は「爪ひっこめたままだよ」

猫は猫なりにかなり気を使ったのだろう

爪を出さずにパンッと一回叩いたようだ

『その猫狂暴につき要注意!!』

正にそのとおり

仔猫の時から鳴き声をあげず

といって決して大人しい猫ではなかった

我が家にいた茶トラの銀四郎

友人の家に生まれた3匹のうちの一匹

首からおなかにかけて真っ白で背中は濃い茶色の縞模様

見た目とは関係なく父が『銀四郎』と名ずけた

「銀公 銀公」といって父が可愛がっていた

それ以外は構うような子供もいなかったので

家の中で好きに暮らしていた

実のところ連れてきてすぐに

欲しがる同僚の家にお試しで連れて行ったのだが

先住猫がなぜか怖がって箪笥の上から降りてこない

と我が家に戻された経緯がある

わたしが留守がちの為に

電車通学していた娘が毎日学校に連れて行き

合宿でも一緒に泊まり込んでいた

合宿先では他にも数匹の先輩猫が居たそうで

そこで鍛えられたのかもしれないし

留守を守るという崇高な使命に燃えていたのかもしれない

とにかく我が家に入られる人は片手くらい

それ以外は玄関に立っているだけで今にも飛び掛からんばかり

居間への引き戸の所でジッとにらみをきかせていた

孫が生まれ2歳になった時にはかなりのオジサンになっていた猫

孫にとっては自分より小さい身体の猫なので

保護意識が生まれたのかもしれない

寝ている猫のそばにいって

「ねんねしてる?はい」といって座布団をかける

それくらいで済ませたら良かったのに

ご飯を食べているそばに行っては

「音させたらダメ」

「口しめてね」

と顔を覗き込んでは注意をしていた

娘と二人でそれ以上は静かにしておいてと

声をかけたけど

あろうことか今度は

ティッシュの箱を持ってきて

「はい はなチ~ン」とやり始めた

それも次々とするものだから

当の猫は口を膨らませ怒る寸前の様相

それでも我慢しているのがありありと見えていた

もう辞めなさいねと何回か孫に言っていた時に

それは起こった

あ~あ

とうとう怒られた

しつこくするから怒られたんだよと話すが

すでにケロッとしていた孫

その後はいつもと同じ

猫も逃げていくわけでもなく

1人と一匹で?遊んでいた

よく我慢したね銀四郎と心の中で褒めてあげた

そんな孫もすでに高校生になった

当然のように私は正真正銘のおばあちゃんになった

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