給料明細書の項目

わたしが3交代の病院に勤めていた時の事。

給料明細に外国人療養手当って言うのがあった。

明細書なんて見た事がなかったから、初めて気が付いた時は?

船舶関係の病院だったせいか、外国の船員さんの入院が多かった。

台湾、韓国の他に、外国客船での急病人も入院してきた。.

台湾と韓国の方や、客船の方は片言の英語や漢字やなんかでどうにか

通じるものがあった。

入院したときって、翌日の検査の説明があるんだけど、何とかかんとか

で、通じるものがあったけど、一度、凄く困った事があった。

まだロシアがソ連だった時の事。

船の上の位の人は英語が通じるけど、通じない時は通訳を呼ぶ事に

なっていた。

通訳の人が来て話し始めたたんだけど、ソ連の言葉が通じませんって

言われて困ってしまった。

ソビエト連邦はたくさんの国で出来ているので、言葉が全く違うらしい。

言葉が通じない本人も、さぞ心細かった事だろう。

夜中に廊下をウロウロとしていたので、ステーションに招き入れた。

名前だけは知ることが出来て、アレキサンドロさんと知った。

後で考えると、入院の伝票を見たら分かるんだけどね。

仕事をしながら話しかけたけど、なかなか笑顔はなくて表情は硬いまま。

そうだろうね、何をされるか分からないんだもの不安だったろうね。

それでも、微笑むようになり病室に戻って眠ってくれた。

翌日になって、エレベーターに乗っていた時の事、他の病室に入院されて

いた方が、アレキサンドロさんと話をしていた。

いつも寡黙な方が、あれこれと話しているのを見て、通訳の人は言葉が

分からなかったと教えたら、ニコっと笑っていた。

父の船に乗っていた船員さんも、スペイン語がペラペラの人が居たそうで、

あまり不思議にも思わなかったけど、少し驚いた。

だってね、通訳の人がお手上げだったんだもの。

食事の伝票って言うのがあって、主食や副食の事や塩分の事を

細かく記入することになっているんだけど、その中に外国人食って

項目があったんだ。

本人に聞いてから記入するんだけど、ソ連船の船長さんは主食をお粥に

して欲しいって言っていたのが思い出される。

真冬でも、毛布一枚で寝ているので寒くないかと聞いたら、ウオッカ飲むと

あったかいって冗談を言って笑っていた。

こうして外国の方の入院が多かった病院なので、外国人療養手当って

いう項目があったんだね。

けど、誰に聞いてもその手当をもらった人はいなかった。

もちろん私ももらった事がなかった。

どういう状況になったら貰えるのか聞いておくと良かったよ。

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